「リーダー像」の今と昔を比較しよう

  1. 今・昔

「リーダー像」の今昔

新型コロナウイルスが世界を席捲し、各国の経済も未曾有の大打撃を受け、私達の生活も大きく変えなくてはならない状況になってきています。この先、更に倒産する企業も増えてくることでしょう。観光をはじめとする人の移動も減退してくるものと思われます。
 
リーダー


この状況を打ち破るには、強い信念を持って皆を引っぱっていくリーダーと、それを支える周りの人達の協力がなくてはなりません。
皆さんは、「上杉鷹山」という日本人をご存知ですか?
43才で、第35代アメリカ大統領に就任した故ジョン・F・ケネディが最も尊敬した日本人。
それが上杉鷹山です。
なぜ、上杉鷹山はケネディから尊敬されていたのか。
それは彼の偉業を読み解けば自ずとわかると思います。

「なせば成るなさねば成らぬ何事も、成らぬは人の成さぬなりけり」
今日は、この言葉で有名な第9代米沢藩主の生き方、また、上杉鷹山を支え倒産寸前の藩を見事に蘇らせた人達かた、このコロナ禍を打ち破る生き方を学びたいと思います。

というわけで、まずは時代背景の確認から。
童門冬二さんの「上杉鷹山の経営学」を参考にさせて頂くと、米沢藩上杉家は上杉謙信の養子である上杉景勝を藩祖とします。
上杉家は越後では二百万石の大大名でしたが、豊臣秀吉によって会津百二十万に移禄され、関ヶ原の戦いで西軍に就いた事により徳川家康に米沢三十万石に減封されました。そればかりか4代目から5代目になる時に相続の手ぬかりがあり、十五万石にまで減らされてしまいます。
しかし、どんなに領地を減らされても、家臣の人員整理を一切行わないのが、藩祖景勝以来の伝統でした。つまり、収入規模が八分の一に減っても、社員のクビを一人も切っていないのです。
その結果、米沢藩は、社員の人件費が会社の総収入の90%以上を占める、とんでもない会社になります。その上、名門である上杉家では万事において形式を重んじていて、その形式には巨額の出費が伴っており、藩の財政は困窮を極めました。
そんな逼迫した状況の中、上杉鷹山は17才という若さで、日向・高鍋藩秋月家より養子として入り、第9代藩主となります。

鷹山はまず、財政再建のための経営改革を行います。そして、「改革とは三つの壁を壊す事である」とし、経営改革を実行する過程で改革を妨げる三つの壁を示します。
一.制度の壁、二.物理的な壁、三.意識(心)の壁。
鷹山は、特に壊さなければならないのが三.の心の壁であると強調しています。このために、①情報の共有、②職場での討論を活発に、③その合意を尊重する、④現場を重視、⑤城中に愛と信頼を回復する、事が大切だと考えました。
また、「経営改革の目的は領民を富ませるため」と明言し、その方法展開を⑤の「愛と信頼」で行おうとします。
つまり、「改革」は愛と労わりがなくてはならない、と言うのが鷹山の経営改革の基本理念だったわけです。

鷹山は生涯を通して、質素倹約を旨としましたが、改革に伴う投資には金を惜みませんでした。いかに財政逼迫下といえども活きた金の使い方をしたのです。
また、意識改革の上で働き方改革も進めています。
仕事が有っても無くても登城している藩士の勤務ぶりを見て、不要の組織を廃止。決められた時間に出勤退社をする必要もないと、現代的に言えばタイムレコーダーを廃止して、好きな時間に勤務するフレックスタイム制を導入しました。余った時間に生産的な仕事に従事してほしい、との思いからでした。
初めは非難囂々だった家臣も自発的に仕事をするようになり、生活のありようが次第に変わってきます。
つまり、リーダー自ら率先垂範の行動を示し、それにより徐々に意識改革が進み、そしてリーダーを支える人々によって倒産寸前の米沢藩を見事立て直したのです。
何事も皆の力を借りながら一緒になって取り組んでいく。
それがいかに大事なことか、ということを学べる事例です。

阪神大震災、そして東日本大震災を経て、日本では「頑張れ」という言葉は人を励ます言葉ではなくなりました。
が、それでいいと思います。
がんばれ、ではなく、「がんばろう」。
それがこれからの日本の励まし言葉でしょう。

何も一人で背負いこむことはありません。
一人だけでやらなければならない。そんなこともないでしょう。
支え、支えられる人生。
それは今も昔も変わらないはずです。

 
- 取材協力 -
株式会社 クリーンサービス
代表取締役
上條 泰
ホームページ:http://www.cleanservice.jp/

年に1回しか会わないのなら、
30年も余命1ヶ月も同じ。親孝行、しよう。

親子の老後に安心したい方へ

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