現代という時代の中の職人 ~ お墓 を慮る ~

現代という時代の中の職人
~ お墓 を慮る ~

我々は石職人として、様々な方から石材に関するご依頼を受けます。専門である彫刻作業やお墓の建立はもちろん、「台所に石を張ってくれないか」といったものから、樹木葬についても質問されたりします。
 


先日、インターネットで仏事を扱うA社さんから電話がありました。
「当社はお墓を建てたい方に<全国一律〇〇円で提供する>と唄っており、御社には〇〇円で作業をしていただきたいのですが」
時代ですね。話を進めました。しかし、強度や設計、長野という寒い土地柄や近隣の方たちへの配慮など不安な部分が残り、それに対する提案をもちかけると、相手方が次第に面倒になってきている事に気付きました。
「君たちプロなんでしょ?1を言ったら10で応えてよ。値段も決まった話なんだからそれ以上はこっちに迷惑かけないで」
といった具合。結局は「安くて簡単に、そちらでうまいことお墓を建ててくれ」ということなんですよね。
お仕事を頂ける事はありがたい事ですが、このお話しはお断りさせていただきました。
 
時代はどんどん便利になり、無駄を省き効率的に考える事はうなずけます。しかし、それでも省けないモノが存在していて、省いてしまったら成立しないモノがあります。
今回のお話で言えば「安くてうまくやる」ためには工夫が要ります。そしてその工夫は決して簡単な事ではありません。1件ごと状況が異なれば段取りも変わり、最後にお届けするお施主さんの想いもそれぞれ違う。お墓は常にオーダーメイドです。また、そういった一つ一つが違う環境の中で経験や失敗を繰り返し、初めて職人は育っていくので簡単に省いてもいけません。
 
石に限った話ではなく、今、あらゆるジャンルにおける職人の工夫や経験、価値が安く言われてしまいがちです。省いてはいけない部分が合理化の中に埋没し、その価値を失わないような環境を作っていく事もまた、時代の中で生きる職人の仕事かもしれませんね。

 
- 取材協力 -
彫枡グループ
代表
杉本 弦洋 氏

 
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