冬は、お墓が凍みて(しみて)動き出す

  1. お墓

お墓を慮る

寒い季節の本番ですね。
長野の冬は確かに厳しいわけですが、その寒さがお墓にとってどんな影響を与えるかご存知ですか。

しみる


その一番が「凍る」です。「凍みる(しみる)」なんてよく言いますが、大気中にある水も凍ると個体になります。水は個体になる時、体積を増やすのでそれを毎晩繰り返してるうちにあれだけがっちりとした重い石さえも動かしてしまうというわけです。水道管が破裂した!なんて事と一緒の原理ですね。

秋のお彼岸の時には何も異常がなったお墓も、一冬越してお墓参りに行ってみると「アレ?なんか石がズレてるぞ?」とか、「外側の柵がお隣さんの敷地まではみ出してしまっているぞ?」なんて事がよくあります。初めは少しのズレでも、一度傾いてしまうと石の重さが一点に集中していき、次の年には更に大きく動くなんてこともありますね。

そういったメンテナンスのご依頼の多くは、約30~40年前に建てられたモノ、ちょうど墓石ブームに建てられたお墓が多いです。当時いくら丈夫に建てましたと言っても、30年40年とこの厳しい長野の冬を野ざらしで過ごしてくれば、どこかに綻びが出てくるのは致し方ない事でもあります。

そういった時、「気軽にお墓の事を聞ける方、または石屋さんがいない!」「30年40年も前の事で石屋さんも辞めてしまってる」「どこに聞いていいのかわからない!」なんてことがあったら問題ですよね。当社でも始めておりますが、最近ではお盆やお彼岸前の草刈りやクリーニング、言わば墓守を代行してくれる業者さんも増えてきています。ですから、そんなサービスを利用してみるのも一つかと……。とにかく、一緒にお墓の事を考えてくれる専門家がいると安心ですね。

また、30年40年と経っていると、次の世代へのバトンタッチの時期でもあります。新春はご先祖様にとっても新しい一年の始まりです。だからこそ、お墓の在り方やご先祖様についても、ご家族で一度話し合ってみるのもいいかもしれませんね。

 
- 取材協力 -
彫枡グループ
代表
杉本 弦洋 氏

住所:長野県松本市笹部4-477-5
TEL:0263-55-4320

本、出しました。

当サイトで最も高い閲覧数を誇る「今昔」。
それをさらに掘り下げ、書き下ろしました。

今すぐチェック

関連記事

墓じまいで、墓石をお地蔵さんに。

近年、増加傾向にある墓じまい。墓石の魂抜きから解体とありますが、「それだけでは味気ない」そう思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、お墓のプロ・杉本さん…

納骨堂を開けたのは、いつが最後ですか。

お墓参りに行くと、お墓の掃除や周りの草むしりなどをしますよね。しかし、実は他にも綺麗にしておいて欲しい場所があります。ここでは、お墓のある場所を放置していたために、大変な…

冬は石屋が進化する季節。

日本で発生する自然災害の一つ地震。あらゆる構造物を倒壊へと誘うこの災害は、お墓にも影響を与えます。そこで、マグニチュード7.2でもお墓が倒れない、そんな耐震技術をご紹介し…

現代という時代の中の職人

お墓 は、オーダーメイドです。なぜなら、建てる際には、強度やその土地の環境に配慮した構造だけではなく、最後にお届けするお施主さんの想いも込めているからです。そんなお墓を作…

寄り添う石屋、とは。

お墓に対する思いは人それぞれ。だからこそ、石屋として、その思いに答えるためには、お施主様に寄り添ったサービスが必要である。そう思うようになったきっかけを教えていただきまし…

手書きの文字をお墓に彫る

ご存知ですか?お墓に大切な方の手書きの文字をそのまま彫ること(転写)ができることを。そこで、実際にあった転写にまつわる感動秘話をお届けします。…