循環型社会の今昔
江戸時代のリサイクルは世界一だった
フランスでは19世紀になっても糞尿をセーヌ川に垂れ流していました。しかし日本は、江戸時代にはすでに循環型社会を完成させており、糞尿を肥料として再利用し、街に汚物を垂れ流すようなことはしていませんでした。「リサイクル」という言葉は昭和になってから使われ始めた言葉ですが、日本では昔から循環型社会を構築していたのです。もちろん、昔と今では異なる部分もたくさんあります。そこで今回は循環型社会の今と昔を比べてみました。
日本のごみのリサイクル、今昔
▼目次
1.「リサイクル」は昭和生まれ
2.江戸は高度な循環型社会
3.すべてビジネス
4.回せば回すほど大きくなる
1.「リサイクル」は昭和生まれ
環境省によれば「リサイクル」という日本語が最初に使われたのは昭和49年で、オイルショックを契機に設立された「リサイクル運動市民の会」が最初です。その後、平成に入り政府は「循環型社会」の形成を目指し、平成12年には循環型社会形成推進基本法を制定。さらに平成24年には、発電した電力が電力会社へ売れるようになり、日本は循環型社会への移行をいっそう加速化させました。
2.江戸は高度な循環型社会
実は、日本は江戸時代に一度、高度な循環型社会を完成させています。例えば19世紀のパリでは糞尿はセーヌ川に垂れ流しでしたが、江戸ではそれを大切な資源として再利用していました。そのため隅田川の水はとても綺麗で、白魚が豊富に取れたそうです。また、地産地消に似た「三里四方」(約12㎞圏内の野菜を食していれば健康長寿になる)という言葉もあり、地域の特性を活かした地域内循環は市民にも浸透していました。
3.すべてビジネス
また、江戸時代には多くのリサイクル商人がいました。古着屋や古紙問屋、あるいはかまどの灰すら買い集める者もいたそうです。資源が少なかったからでしょう。しかし、当時の江戸は識字率が世界一とも言われ、極めて高水準な教育国家でした。それを思うと、江戸の循環型社会の見方が変わるのは私だけではないはずです。
4.回せば回すほど大きくなる
地球には「遠心力」と言って、回転半径が小さければ小さいほど、そして回せば回すほど大きな力が生まれます。
小さいエリアで、資源を回せるだけ回してみる。つまり地産地消です。
さあ、私たちが生まれ変わっても資源が豊富な地球を願い、循環型社会の実現に向けて「捨てる」を捨ててみませんか。