アイス の今昔
アイスは旧約聖書に登場するほど、非常に昔からある食べ物です。しかし、当時のアイスは現在の嗜好品的位置付けではなく、健康食品的な存在だったようです。いったい、アイスはどのような軌跡で今のようなイメージになったのでしょう。アイスの今と昔を比べてみました。
▼目次
1.古代のアイスは健康食品
2.アイスの原型
3.日本初のアイスは「あいすくりん」
4.刹那美の美味
1.古代のアイスは健康食品
アイスの歴史は非常に古く、旧約聖書にはすでに登場します。当時のアイスは今のシャーベットのようなもので、主に戦士の疲れた体を元気にする健康食品でした。それをローマの英雄ジュリアス・シーザーが若者をアペニン山脈に走らせ、そこから氷や雪を運ばせて、乳や蜜、ワインなどを混ぜて飲み始めたことから嗜好品へと繋がったそうです。
2.アイスの原型
16世紀中ごろ、フィレンツェの大富豪メディチ家から、フランス王家に嫁いだカトリーヌ。彼女が愛した故郷のデザート「ズコット」が、現代のアイスの原型になったと言われています。さらに、彼女の孫娘がイギリスのチャールズⅠ世の元に嫁ぎ、イギリスにもアイスの技法が伝播。その味は王家をあまりに驚かせたらしく、「アイスの製法は国家機密」という話がまことしやかに噂されたほどでした。
3.日本初のアイスは「あいすくりん」
日本初のアイスクリームは、明治2年、町田房蔵が横浜に開いた「氷水屋」で販売されたものだと言われています。「あいすくりん」という名称で、金額は現在の約8,000円だったそうです。それから約20年してもアイスは高級品のままで、東京銀座の資生堂で販売されると一躍人気メニューになるものの、庶民にとってはまだ高嶺の花でした。日本でアイスの工業生産がスタートするのは大正9年のことです。
4.刹那美の美味
アイスに賞味期限はありませんが、常温ではすぐに溶けてしまい、味わえる時間には限りがあります。ただ、日本人は桜や花火など、刹那美を愛する民族です。
舌涼みで、舌鼓。
この春夏は刹那な涼を求め、アイスを愛す人になりませんか。アイス愛を失くしかけていても大丈夫。アイス屋さんならきっと、その愛、救えますから。