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葬送 白菊
 

核家族の行き着く先

前回、核家族の行き着く先は独居老人であるとお話しました。また、「生存中の孤立状態への対応は迫る問題である」との日本政府の認識もお伝えしました。いま、核家族化に起因する相談は本当に増えています。「一人暮らしで、この先を考えるとどうしたらよいのか」「夫婦二人で暮らしていたが、連れ合いが病に侵され入院した」。過去には「家族が眠れなくて」という相談も受けました。

 

実際の事案より

平成19年秋、当時67歳の女性から「眠れない日々が続いている」との電話を受けお伺いすると、床の間に白い包みが三つ置いてありました。
「実は、眠れないのは主人と子供たちでして」
聞けば、白い包みはご主人と二人の子供の遺骨でした。四人家族のこの一家は、長男の病気治療で信州へ移り住むも、治療の甲斐なく亡くなられ、その後ご主人も病気になり、さらにそんな中、水難事故で次男も亡くなってしまいます。子供二人の供養は主人が元気になってから。夫婦でそう決めていたのですが、ご主人もその三年後に亡くなられてしまいます。奥様はお寺に相談しました。しかし、かなりの高額なご提示があり、頼る身寄りもなく、もうどうしたらよいかわからない。そんな内容の相談でした。
 
もちろん、今は全て解決しています。適度な条件を満たす合祀墓を探し出し、親子三人のご安置は無事終了しています。奥様は人が変わったように元気になり、地域のサークル活動に積極的に参加し、今も健やかにお過ごしです。

 

目を背けず、 未来について考える

他人に代わっての葬送並びに納骨は簡単にできるものではありません。だからこそ、元気なうちに自分でできる最大限の準備をしておくことが大切になってきます。自分のお骨の処理もその一つです。こういった準備は、この長寿社会を生き抜くための生活の知恵も得られますし、若者に理解され協力される高齢時代の礎にもなると思います。
 
準備に早すぎることはありません。まずは知識を身につけ、ライフプランを考えるだけでも考えてみてはいかがですか。

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