【弁護士が解説】遺言書はどこに保管すべきか

  1. 相続

【弁護士が解説】遺言書はどこに保管すべきか

遺言書がトラブルのもとになるのはどんな時でしょう。また、遺言書はどこに保管しておくのがベストなのでしょう。山本法律事務所の山本弁護士がよく受ける相談事を、Q&A形式で解説してもらいました。
相続対策2

Q:遺産分割協議後、条件の異なる遺言書が出てきた場合

先日、兄弟間で遺産分割協議が終わりましたが、その後、遺産分割協議で決めた内容と異なる内容の父の遺言書が見つかりました。この場合、どちらが優先されるのでしょうか。
 

- Answer 1

遺言書の存在を知らずに遺産分割協議が成立したとしても、後で見つかった遺言書に反する部分は無効となります。相続人間において遺産分割協議を経て合意に至ったとしても、相続において最優先されるのは遺言書の内容であり、遺言書の効力というのはとても強いのです。ただし、相続人の全員が遺言書と異なる遺産分割協議をそのまま維持しようと合意すればその合意が優先されます。もっとも、特定の相続人に有利な内容の遺言書であれば、その者の合意を得ることは、なかなか難しいと思われます。
後で遺言書が見つかった場合には、遺産分割協議に費やした時間が無駄になってしまうため、まずは、被相続人の遺言書がないかを探すことが重要です。
 
①自筆証書遺言の場合
自筆証書遺言の場合は、被相続人がどこに遺言書を残しているのかを手当たり次第に探さなければならないため、とても大変な作業となります。一般的には、以下のような場所を遺言書の保管場所としているケースが多いようです。

自宅内:金庫、タンス、仏壇、机の引き出し、本棚など
自宅外:銀行の貸金庫、弁護士、司法書士、税理士、行政書士といった専門家や親友など
 
②公正証書遺言の場合
公正証書遺言とは、公証役場で公証人に作成・保管してもらう遺言書のことです。公正証書遺言の原本は、公証役場に20年間保管されているため、探すのはとても簡単です。
また、どこの公証役場に保管されているのかがわからなくても、公証役場間で検索ができますので、被相続人の死後、最寄りの公証役場に公正証書遺言が保管されていないかを確認してみてください。
 

- Answer 2

遺言書の保管場所というのは被相続人にとって非常に頭を悩ませる問題です。相続人となる人の目につくところに保管し、発見されてしまうと、生前に開封され見られてしまうおそれがあります。他方、発見されにくい場所に保管していると、せっかくの遺言書が死後、誰にも発見されないというおそれもあります。被相続人の立場でこのような問題を考えると、遺言書は、やはり公正証書遺言の形で残しておく方がベストといえるでしょう。

 
― 取材協力 ―
山本法律事務所
弁護士 山本 賢一 氏
http://www.yamamoto-lo.jp/

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