みんな大好き!「たまご」の今昔
今では、当たり前のように食卓に並ぶ卵。しかし、卵の歴史を振り返ってみると、昔は身近な食材ではなかったことが分かります。
では、どのように移り変わってきたのか。平安時代から江戸時代まで、各時代における卵の在り方をご紹介します。
▼目次
1.平安時代、卵はタブー
2.室町時代、卵解禁
3.江戸時代、卵は高級
4.今日は明日の卵です
1.平安時代、卵はタブー
日本霊異記は平安時代初期に書かれ、伝承された最古の説話集です。そこには、卵を煮て食べていた若者が地獄に落ち、かがり火に苦しめられたという話が収められています。当時は「卵を食べるとバチが当たる」と信じられていて、日本人は卵を恐れていました。
2.室町時代、卵解禁
室町時代になると、ポルトガルから様々なものが日本へ輸入されてきます。南蛮菓子もその一つですが、中でも卵を使ったカステラ人気でした。そして、南蛮人が平気に卵料理を食べる姿を見て、日本人も少しずつ「卵解禁」になったそうです。
迷信より、美味しいもの。
我々の先祖はとてもグルメで合理的な種族だったようです。
3.江戸時代、卵は高級
江戸時代では卵は高級食材でした。今の価値に換算すると、卵は一個400円ほど。十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にも、「卵ふわふわ」という料理が将軍家のもてなし料理として紹介されています。
そして、江戸時代後期には、卵料理の多様性は開花。料理本「万宝料理秘密箱」が出版され、その中の「卵之部」には103の卵のレシピが収められており、そのレシピ集は「卵百珍」として人気を博します。
4.今日は明日の卵です
いったい誰が、卵は「誰も食べない」から「みんな大好き」な食材になると思ったことでしょう。まさに華麗なる転身です。本当に、未来はどうなるかわかりません。
ただ、明日は必ず今日から生まれます。ですから、今日を大切にしなければ、明日という雛はかえりません。
もっと今日を大切に。
何だか、人生の極意はそれだけのような気がします。
「人生」と聞くと難しく聞こえます。しかし、難しそうなものほど、意外と簡単だと言います。
ほら、「コロンブスの卵」が、それを証明したじゃありませんか。