損をしない年金受給で、 明るい終活
~ お金のお話 ~
◇ 2種類の老齢年金
公的年金には、老齢・遺族・障害の3つの種類があり、その中でも中心となるのが「老齢年金」です。そして、会社員が加入する厚生年金からは「老齢厚生年金」が支給されますが、この老齢厚生年金にはさらに2つの種類があることを知らない方も多いようです。その二つとは「60歳代前半の老齢厚生年金」と「65歳以降の老齢厚生年金」です。文字列としては同じ老齢厚生年金ですが、法律の条文では、60歳代前半は「法附則8条」、65歳以降は「法42条」と全く別物です。そして、全くの別物ですから、裁定請求も形式的ではありますが、別々に2度行う必要があります。ただし、60歳代前半の老齢厚生年金は、すでになくなることが決定しています。男性は昭和36年、女性は昭和41年の4月2日以降に生まれた方は、この老齢厚生年金の支給対象者とはなりません。
◇ 繰り下げ受給で損をする?
年金の請求を遅らせると年金が増える。そうお考えの方は多いようです。しかし、その制度があるのは「65歳以降の老齢厚生年金」や「老齢基礎年金」です。それらは繰下げた月数に応じて受け取る年金が増額されます。しかし、「60歳代前半の老齢厚生年金」には繰下げと言う制度はありません。そればかりか、65歳以降に請求すると減額されてしまいます。というのも、年金の請求は5年で時効を迎えます。ですから、仮に67歳で「60歳代前半の老齢厚生年金」を請求すると、5年より前に相当する61歳と62歳の分が受給できません。70歳過ぎてしまえば、5年さかのぼっても65歳以降です。「60歳代前半の年金」は1円も受け取れないことになります。
◇ 知ることも、終活の一つ
終活とは、セカンドライフを充実させるための活動です。ですから、老後のことについて知ることも重要な終活の一つです。先述のように、知らなければ大きく損をすることもあります。年金の申請や年金をもらいながら働く時に注意すべきこと、あるいは生命保険の見直しなど、正しいことを知ることも終活です。私たちはお金と相続、終活に関する専門家です。いかがでしょう。一緒に正しい知識を身につけ、終活に取り組みませんか。
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A and A 株式会社
嶋田 加代子 氏
ホームページ:http://www.aanda.tokyo
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① 終活を始めて、お金と暮らしの計画を立てよう
② なぜ、エンディングノートは書いた方が良いのか
③ エンディングノートと財産管理
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⑥ 保険を見直し、正しい終活。~年金を知る~
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