葬儀 に関する思いやり
高齢な方にとって、遠方の 葬儀 は大変です。ですから、負担をかけまいと、あえて葬儀に呼ばない人もいます。一方で、気持ちだけでもと、どうにか香典を送りたという人もいます。今回は、思いやりと思いやりのすれ違いでお悩みだった方のお話を。
先日のことです。とあるお爺ちゃんから「悩みがあって眠れない」との電話がありました。そこで私がお行き会いすることになったのですが、久しぶりに幸せな気分になりました。
そのお爺ちゃんは手紙の整理をしていたそうです。年賀状やらがいっぱい出てきたのですが、そのときふと、一枚の喪中はがきが目に留ります。四、五年前のものだったそうですが、亡くなっていたのは遠方に住むとても大切な方でした。
「今更ですが、香典を渡したい。でも、四、五年も前のことだから、どうしたらいいのかわからない」
それがお爺ちゃんの悩みでした。
「どうして葬儀に呼んでくれなかったのか」
お爺ちゃんはそう言うものですから、私は言いました。
「移動するだけでも大変な距離だから、気を遣ったんだと思いますよ。そして香典は、今すぐ送るべきだと思いますよ」
「四、五年も前の事なのに、いいかな?」
「問題ありませんよ。どうして今になってしまったか、素直な気持ちで手紙を添えれば、先方も喜んでくれますよ」
私がそうアドバイスすると、お爺ちゃんは急に元気になって、足取り軽く帰っていきました。負担をかけまいと、葬儀に呼ばない思いやり。気持ちだけでもと、香典を送りたという思いやり。思いやりと思いやりで悩む人がいる。久しぶりに、本物の優しさに触れた気がしました。
ところで、人はどんなことが悩みになるか分かりません。普段は何とも思っていなかったことが、当事者になった瞬間に悩みに変わることもあります。だからこそ、わたし達はどんな分野でもしっかり相談にのれるよう、様々な専門家がサポートできる体制を整えています。一人で悩んではいけません。人生は大玉送りです。色んな人の手によって、人は人として生きています。今をもっと楽しむためにも、後悔をしないためにも、自分の感情に素直に生きましょう。そのための相談なら、私たちはいくらでも相談にのりますから。
― 取材協力 ―
蔵エンタープライズ
代表 板倉 富男 氏
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