【弁護士が解説】ペットに財産を相続させる方法
「負担付遺贈」とは
ペット文化が浸透してきた今、「ペットに遺産相続を」という方は増えてきましたが、人以外にも遺産を相続させることはできるのでしょうか。山本弁護士に伺ってきました。
▼目次
1.ペットも家族の一員
2.ペットに財産を残す方法
3.負担付遺贈とは
4.相続に関する相談は弁護士へ
1.ペットも家族の一員
最近、家の近所を歩いていると犬などのペットを連れて散歩をしている方々を目にすることが多くなりました。少子高齢化が進み、ご夫婦だけの家庭や、一人暮らしの方が増えてきたことでペットを子どものように可愛がる方が増えてきているようです。では、自分が亡くなったときに、大切なペットのために財産を残すことができるのでしょうか。
2.ペットに財産を残す方法
残念ながら、法律上は、人以外の者は権利や義務の主体となる資格がないため、ペットに財産を残すことはできません。しかし、ペットに何か財産を残してあげたいという飼い主さんのお気持ちを実現させる方法がないわけではありません。例えば、飼い主さんが、信頼のおける人に財産をあげる代わりにその人にペットの世話を依頼することで、ある程度は飼い主さんのお気持ちを実現することが可能になります。この方法を、「負担付遺贈」といいます。
3.負担付遺贈とは
「負担付遺贈」とは、財産を貰う人に対して一定の法律上の義務を負わせたうえで、遺贈(贈与)することです。つまり、今回の場合では、ペットの世話をする負担がついた遺贈(贈与)をするということになります。このような負担付遺贈は、「年老いた妻の介護を引き受けてもらう代わりに財産をあげる。」、「住宅ローンを引き受けてもらう代わりに家をあげる。」、「障害を抱えた子どもの面倒をみてもらう代わりに財産をあげる。」などといった場合にも利用されることがあります。自分の死後、大切なペットの将来が心配だとお考えの方は、この「負担付遺贈」という方法を一度検討してみてはいかがでしょうか。
4.相続に関する相談は弁護士へ
相続は、誰もが避けて通れない問題です。残された家族同士でトラブルになることを避けるために、お元気なうちに準備をしておけることがあります。また、相続開始後は、様々な法律問題が複雑に絡み合うため、その解決には、高度に専門的な知識が必要になります。相続手続きでお困りの場合には、弁護士などの専門家にご相談ください。
― 取材協力 ―
山本法律事務所
弁護士 山本 賢一 氏
http://www.yamamoto-lo.jp/