家の外より中が怖い 現代
~ 住まいについて考える ~
事故と言えば、20年前なら交通事故を思い浮かべたことでしょう。しかし、平成16年以降は、交通事故死より家庭内事故死の方が多くなり、以降その差は年々広がっています。平成22年の人口動態統計(厚生労働省)を見てみると、家庭における不慮の事故死は約14,000。その内8割以上が65歳以上です。さらに家庭内の不慮の事故死の内訳を見てみると、「転倒・転落」や「(食べ物の誤えんを含む)窒息死」より、「不慮の溺死」が一番多くなっています。
◇ 溺死の原因
溺死の主な原因の一つが、前回お話した「ヒートショック」(医学用語とは異なり、急激な温度変化による血圧急変の意)です。この「ヒートショック」を防ぐには、家全体を温め、家の中の温度差を小さくすることが一番です。高性能な断熱材を使うのも一つの手でしょう。しかし、「気密性」も大切です。せっかく高性能な断熱材を入れても、隙間により気密性が保たれていなければ意味がありません。
◇ 隙間を防ぐ
気密は「見えない部分の工事」ですから、トラブルはあるようです。例えば、断熱材のサイズと間柱の寸法が合っていなかったり、断熱材同士に隙間があったり。実際新築のお宅でも、見えない部分の隙間などを計る「気密測定」をしてみると、コンセント部分や床と壁の取り合い部分、配管を通したところなどは数値が低く、隙間があいていることがあるようです。「冷えは万病の元」と言いますが、健康と住まいには密接な関係があります。何より、現代は「ちょっと出かけてくる」より、「さて、風呂に入ってくる」の方が死亡確率が高い時代です。
冬は毎年やってきます。将来の健康のためにも、冬は暖かい住まいで暮らされることをおすすめします。
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② より良い住まいを求めて
③ 家と時間について考える
④ 二世帯住宅を考える
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