家族会議とエンディングノート
~ 心の相続 ~
エンディングノートに何を書けばいいのか分からない。そんなお話を耳にすることがあります。では、そもそもエンディングノートとは一体何なのか。シニアプラネットの板倉さんに、エンディングノートの新しい利用法について、お話を伺ってきました。
▼目次
1.遺言書も争いの元になる
2.家族と書こう
1.遺言書も争いの元になる
相続を争続にしないために、遺言書は大切だ。そう多くの方が仰います。私もその通りだと思います。しかし、例えば遺言書に
「兄には1,000万円、弟には100万円を相続させる」
とあったらどうでしょう。きっと弟は
「なぜ自分の方が少ないんだ!」
と怒るでしょう。
では、遺言書と一緒に、次のように記されたエンディングノートがあったらどうでしょう。
「兄は学校を卒業してすぐに働き始めた。弟は一年浪人して、都内の大学へ入学した」
きっとこの兄弟は遺産配分の理由を理解し、もめることはないでしょう。
「誰に何を」を記す遺言書も大切です。しかし、「なぜ」を記すエンディングノートも、遺言書と同じくらい重要なのです。
2.家族と書こう
エンディングノートは、一人でノートに向き合ったところで書けないものです。ですから、私は家族と一緒に書くことを提唱しています。
といっても、難しく考える必要はありません。エンディングノートは家族との思い出をもとに書き残すものです。ですから、家族みんなで集まって、昔話をすればよいのです。
子供の頃どこどこへ行ったね。高校生の時に留学したね。不動産も分割したっけ。でも、随分と介護をしてもらっているなぁ。
思い出が蘇れば蘇るほど、自分の死後にどうして欲しいかが鮮明になるはずです。
遺産はあくまで「生前に注ぎきれなかった愛情」です。ですから、一緒にいた期間を無視して遺産相続のタイミングだけを切り取って見れば、不平等を感じる人が出るに決まっています。
家族で昔話をしましょうよ。そして、その議事録のようにデンディングノートを使いましょうよ。
親と子の間にも会話は必要です。
いえ、親と子の間にこそ重要です。
みんなが元気でいるうちに。
ぜひ家族会議を開いて、エンディングノートを一家で書いてみてください。きっと楽しい時間になりますよ。
- 取材協力 -
シニアプラネット
相談役
板倉 富男 氏
ホームページ:http://kura-e.com/index.html