人生100年、住まいの寿命は何年?
~ 住まいについて考える ~
人間の寿命が伸びるほど、住まいにも長生きしてもらわなければ困ります。では、住宅の寿命はどれくらいあるのでしょうか。また、それを踏まえ、いつ、どのタイミングで住まいについて考えるべきなのでしょうか。
▼目次
1.本当にあった怖い話 抜いてはいけない柱を…
2.住宅の寿命
1.本当にあった怖い話
抜いてはいけない柱を…
とあるお宅へリフォームの打合せに行った時のことです。お施主さんが私に言いました。
「以前来た別の工務店の方は、この柱を抜いてリビングを広くしましょう、と提案してくれました」
私はそれを聞いて驚きました。なぜなら、その柱は構造的に抜いてはいけない柱だったからです。
日本の建築様式は、今も「在来工法」がトップシェアです。そして、この在来工法においては、基本的には抜いてはいけない柱がいくつかあります。土台から軒までつながった「通し柱」。下の階と上の階で分かれていて、梁などで中断された「管柱(くだばしら)」。それに、柱と柱の間に斜めに入れる「筋交い」です。
おそらく、先の担当の方は騙そうとしたわけではないと思います。しかし、知識不足は致命的な結果をもたらします。リフォームで柱をいじる際は、必ず強度面について十分な説明を受けるようにしましょう。
2.住宅の寿命
ところで、皆さんは住宅の寿命をご存知ですか?国土交通省は「住宅の寿命は約30年」としていますが、その数字は取り壊された建物の築年数を根拠にしているため、正確ではありません。日本の住宅はそこまで短命ではありません。ただ、住宅に使用されているほとんどの設備や仕上げ材は、築30年ほどで寿命を迎えます。ですから、その時期には何らかの不具合が発生しがちですし、生活環境も大きく変わっているため、多くの方が自宅に不便さを感じ始めるようです。
そこで、「リフォーム」となるわけですが、何十年もメンテナンスに無関心だった場合、特定箇所のみの修繕では済まないケースは少なくありません。修繕箇所に接していれば、そこにも影響が出るからです。そして、そうした部分は目に見えない部分が多く、目に見えない所へ大きな費用をかけるならと、建て直しを選ぶ方も多くいます。
その選択の是非は別として、人生百年時代です。現在60歳の方は、今のお住まいにあと40年暮らす計算になります。きっと、どこかのタイミングで住まいについて考えなければならないでしょう。
いずれ取り掛かるなら、早い方がお得です。最近の住宅は、光熱費がとても削減できるからです。
いかがでしょう。今から月々の生活費を抑えながら、未来へ向けてより快適な暮らしを始めませんか。
- 取材協力 -
株式会社 優プラン
http://www.you-plan.biz
代表取締役
松中 広一 氏