【あの木、この花】来日100年のハナミズキ
桜とハナミズキと、日本とアメリカ
長野県でも庭木として人気があり、街路樹にもよく使われている「 ハナミズキ 」。日本原産のヤマボウシと同じ仲間で「アメリカヤマボウシ」とも呼ばれています。そんなハナミズキは、アメリカからどのような経緯をたどってに日本に入ってきたのでしょう。そして、庭木として育てる際の注意点とは。ガーデンデザイナーの多田さんに伺ってきました。
▼目次
1.米国からの贈り物
2.ハナミズキの逸話
3.庭木としての育て方
学名 Corunus florida ミズキ科ミズキ属
1.米国からの贈り物
ハナミズキ は元々はアメリカの代表的な花木で、今から約百年前に、日本がアメリカにソメイヨシノを贈った返礼としてアメリカから贈られたのが始まりだと言われています。今は日本でもとてもポピュラーな花木です。長野県でも庭木としてとても人気があり、街路樹にもよく使われています。日本原産のヤマボウシと同じ仲間で「アメリカヤマボウシ」とも呼ばれています。
2.ハナミズキの逸話
ハナミズキにまつわるエピソードはたくさんあります。例えば、かのアメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンが子供の頃、桜の木を切ってそれを正直に言ったらかえって褒められた、との逸話はご存知かと思いますが、ワシントンの子供時代には桜はまだアメリカになく(ワシントンの没年は1799年、桜がアメリカに贈られたのは1912年)、実は切った木はハナミズキだった、との説があるのです。(ただ、この逸話自体の真偽が不明だそうですけど…)
3.庭木としての育て方
庭木としてのハナミズキは、花、実、紅葉と四季を感じられる見所満載の木です。サクラと同じく葉が出るより先、4月から5月頃に花が咲きます。白花と赤花があり、白花の方が赤花よりなぜか成長が少し早いです。秋には赤く紅葉し、さらに赤い実がなります。ヤマボウシの実は食べられますが、ハナミズキの実は残念ながら食べられません。最大樹高10mほどになりますが、生長はやや遅く環境によってはそれほど大きくならないこともあります。それほど剪定の必要もなく丈夫な木ですので庭木としてはとても使いやすいです。ただ、枝が横に広がっていきますので庭に植える場合は建物や隣家から少し離れた場所がよいでしょう。
桜の花が散った頃、バトンタッチするかのように咲き始めるハナミズキ。今となっては日本でも春を彩る代表的な花木です。まさにこれから見頃を迎えますのでハナミズキで花見の続きでもいかがでしょうか。
- 取材協力 -
株式会社 空間設計sobo
http://k-sobo.com
代表取締役 ガーデンデザイナー 多田 紳也 氏