とある一家の、相続とお金の物語
~ お金のお話 ~
税理士さんから、こんな一家のお話を聞いたことがあります。
70代のお爺ちゃんお婆ちゃん、50代のお父さんお母さん、そして、孫は今年から大学生。
それぞれの立場には、それぞれのお金の悩みがあります。
・お爺ちゃんたちは税金を節約して、財産を減らさずに相続させたいと考えています。
・お父さんたちは、そろそろ老後の資金について考えなければと思いつつも、子供の学費や仕送りで頭はいっぱいです。
・お孫さんは両親にあまり負担をかけまいと、アルバイトをしながら学業に励み、大きな夢を見ていることでしょう。
使わざるを得ないお金と、減らしたくないお金。今時分の春になると、両者が相撲を取っているご家庭は多いのではないでしょうか。
そこで登場するのが、両者をどっちも負けさせず、うまく捌く行司さんです。
税理士さんは先のご家庭にこんなアドバイスをしたそうです。
「同居しているなら、学費や生活費は誰が出してもいいのですよ」
つまりこういうことです。
「お孫さんの学費は、お爺ちゃんたちが出してもいいのですよ」
さて、ここからが本題です。
お父さんが、孫に毎月12万円の仕送りをするとしましょう。年間144万円の支出です。そのお金をお爺ちゃんたちが生活費として支払って、本来払うはずだったお父さんの12万円を積立預金します。すると、お爺ちゃんの財産はお父さんの預金に変わります。144万円を贈与すれば贈与税がかかりますが、こうすれば、税金は取られずに4年間で576万円が移せます。
5月開催の「コンパス勉強会」では、こんなお金の物語をお話ししたいと思っています。
題目予定は「相続が発生した時の銀行口座の凍結を避ける方法」「小さなお子様のいるお母さんが離婚した時は、生命保険の受取人をお子様にしてはいけない」「子供の居ない奥様は夫の貯金を増やすな」などです。
お金の歩く道を変えて、人生で見える景色を一緒に変えましょう。
- 取材協力 -
FP総研株式会社
ライフプランインストラクター 高山 邦男 氏
前話 保険金と税の関係