【あの木、この花】落葉樹と常緑樹の特徴
長野県で人気の常緑樹は?
秋が深まるにつれ、標高の高い山の方から里に向けて紅葉シーズンが始まります。モミジやカエデ、ナナカマドなどの 落葉樹 が、赤、橙、黄と、色とりどりになる姿は本当に綺麗です。しかし、冬になっても緑は楽しめます。常緑樹です。昔は松などが好まれていましたが、現在では人気の常緑樹も変わってきたらしくーー。
落葉樹 も 常緑樹 も美しい
秋が深まるにつれ、標高の高い山の方から里に向けて紅葉シーズンが始まります。モミジやカエデ、ナナカマドなど、赤、橙、黄と、色とりどりの紅葉は本当に綺麗です。紅葉は寒暖差が激しい地域ほど綺麗に発色するので、長野県には紅葉の名所がたくさんあります。乗鞍高原や木曽路の紅葉は本当に見事ですよね。私も時間がある限り紅葉狩りに出かけるようにしています。
ところで、紅葉する木は全て、紅葉後に葉を落として冬は裸になる落葉樹です。落葉樹は、冬が近づくと葉から木本体に養分を取り入れるための口を閉じて、枝から葉を切り離し、冬眠状態に入ります。そうです。落葉樹は冬の厳しい寒さをやりすごすサバイバル術を使っている木なのです。そんなわけで、およそ長野県では育たない落葉樹はほとんどないといってもいいでしょう。
一方で、冬場も葉を落とさない常緑樹には、寒さに弱く長野県では越冬できない木がたくさんあります。庭の設計をしていても、長野県で使える常緑樹が少なくて私もいつも苦労します。東京などで人気のあるシマトネリコ、オリーブ、ミモザなどの木は、長野県では地植えは不可能です。なぜ寒さに耐えきれないかというと、葉の内部の水分が凍ってしまうと細胞が破壊されてしまうからです。
でも、寒さに強い常緑樹もありますよね。松、杉、ヒノキなど、針葉樹と呼ばれる木です。これら針葉樹は、葉や枝の中の水分を凍らさないためのメカニズムを持っています。昔の庭には、これらの松やイチイ、ヒバ、コウヤマキなどが沢山使われていました。ただ、これらの木は毎年管理をしないと育ちすぎたり荒れてしまうため、その手間が敬遠され、今ではほとんど使われなくなりました。最近人気があるのは、長野県でも大丈夫な常緑樹の中では、ソヨゴ、キンモクセイ、ツバキなどです。
やっぱり冬でも、少しは緑を楽しみたいものですよね。
- 取材協力 -
株式会社 空間設計sobo
代表取締役 ガーデンデザイナー 多田 紳也 氏
http://k-sobo.com