【2019年秋号 巻頭特集】
はじまり、ね。
「車椅子を使わない」がコンセプト
介護事業所・竹の湯。
今では当たり前のように介護施設で使用される車椅子を、なぜ使わないという決断をしたのだろう。
▼目次
1.一緒に歩く
2.「歩く」は大切
3.浅間温泉の源泉掛け流し
1.一緒に歩く
バリアフリーは、足腰に不安がある方の怪我のリスクなどを軽減できます。しかしその反面、将来的には筋力を低下させ、足腰を弱らせて転倒骨折のリスクを高める原因になりえます。
車椅子も同じです。自分で歩けるにも関わらず車椅子を使っていれば、足腰はさらに弱くなります。
ですから、竹の湯では「車椅子を使わない」をコンセプトに、日々介護に当たっています。
利用者さんを介助しながら、安全を考慮して職員が一緒に歩く。
それが、私たちの介護です。
2.「歩く」は大切
厚生労働省は、歩くことで心肺機能の改善や骨粗鬆症の予防などの効果が見込める、と発表しています。認知症予防財団は、歩くことは認知症予防につながる、と説いています。
竹の湯に見学へ来られる方はよく驚かれますが、ここでは90歳前後の利用者の方々全員が、車椅子を使わず自分の足で歩いています。もともと車椅子を使っていた方も、車椅子を使わなくなった、という事例もあります。
もちろん、車椅子が暮らしに必要不可欠な方がいることも承知しています。ただ、これからの介護においては、今より介護度を上げない努力が必ず必要になると考えています。ですから、私は可能な限り歩くことを強く推奨しています。
3.浅間温泉の源泉掛け流し
竹の湯は元々は温泉旅館でしたから、お風呂には自信があります。ここは、今は少なくなった、湯の花舞う源泉掛け流し温泉です。
利用者の多くの方は、この温泉を楽しみにしています。また、入浴の後はゲームをしたり歌ったりして、楽しく和気あいあいとした一日を過ごされています。
介護度を上げない介護。
私はそれを追求するために、今後も「歩く介護」を通して、介護の道を利用者と共に寄り添っていきたいと思います。
- 取材協力 -
NPO法人 介護福祉センター・アイ
デイサービスセンター 竹の湯
代表理事
大久保 泰誉
NPO法人 介護福祉センター・アイ
住所:長野県安曇野市三郷小倉3909-2
電話:0263-77-8270
デイサービスセンター 竹の湯
住所:長野県松本市浅間温泉3-11-2
電話:0263-45-1081