【心の相続】孤独死が増える2つの原因と、その対策法
なぜ近年、孤独死が増加傾向にあるのでしょう。その原因は大きく2つあると言われています。「無縁社会」と「核家族化」です。そうした状況を踏まえ、どうすれば孤独死は減らすことができるのでしょう。蔵エンタープライズの板倉さんにお話を伺ってきました。
孤独死とは、誰にも看取られずに死亡することで、警察庁の死因統計上では「変死」に分類されます。孤独死は最近になって急増傾向にあり、年間約3万人とも推計されています。孤独死は本当に切ないものです。ひとりぼっちで寂しく死んでいく……。その悲しみや恐怖もそうですが、しかし亡くなった事実を知らずに生活している家族を思うと、それはそれで言葉にならない感情が湧き上がってきます。仕事で親の死に目に逢えない。それは仕方ないかもしれません。それでも、死後2・3日経過してようやく親の死を知る。そんなことがあって良いのでしょうか。
こうした孤独死の増加には、大きく二つの理由があると思います。
一つが、無縁社会です。インターネットの普及や家電製品の進化により、人間は一人で何でもできると錯覚し始めました。
もう一つが、核家族化の問題です。核家族とは、親との別居です。そして、親が二人同時に亡くなることはほぼありませんから、核家族は独居老人を生む生活スタイルとなります。
こうした社会構造を、すぐに変えることは困難です。しかし、私は近所付き合いの在り方を少し変えるだけで、高齢化社会の課題をいくつかは解決できると思っています。
しばしば「現代社会では隣近所との関係が稀薄になった」と言われます。しかし、「地域での望ましい付き合い方」を訊ねたところ(内閣府調査:2004年)、「住民全ての間で困ったときに互いに助け合う」と回答した人は36.7%、「気の合う住民の間で困ったときに助け合う」は25.8%と、合わせて6割を超えています。
遠くの親類より、近くの他人。
昔からそんな言葉もあるように、もともと日本人は近所付き合いを大切にしてきました。実際、今でも多くの人は、いざというときは近隣関係を頼りにしているのです。是非これを機に、来る高齢化社会に向け、近所付き合いについて考えてみてください。一人ひとりが変われば、きっと社会も変わります。とはいえ、なかなかご近所に、お墓や葬儀、相続の相談はしづらいかと思います。そんな時は私たちを頼ってください。幅広い専門家が、あなたのお悩みにお答えします。
― 取材協力 ―
蔵エンタープライズ
代表 板倉 富男 氏