悠久の想い にとらわれて。野菊が咲く山の一角で、子供たちの歓声に耳を傾けてみませんか。
先日あるイベントで大勢の子供達と一緒に里山に入りました。ずばり、「子供たちを里山に親しませるプロジェクト」という催しです。
遊歩道を散策しての自然解説、里山の整備をしている団体(「芥子坊主山市民の森整備推進協議会」)の指導による森林作業の体験(細い木の伐採)、そして、切り出してきた竹を素材にしての椀・花立づくり等の実習。そんなメニューで十人ばかりの児童たちやその親御さん達と半日山の中で過ごしました。三歳児に至るまで大はしゃぎで大変盛況でした。付き添いの親御さん達も一緒に作業して、「たまには山に入るのもいいものですね」「また是非こんな体験をしたいです」等々、とても喜んでもらえました。少し困ったのは、子供達が、茸、それも毒茸を見つけてきては「これ食べれる?」と頻繁に聞いてきたり、蜥蜴獲りの方に熱中する子供がいたりで、まとめるのに苦労したことでした。
まあ、子供達がすぐに山に適応して元気に楽しんでいるのを見て、親(祖父?)世代の私としては少し安心しました。今の子供達が決してひ弱でないと感じたからです。我々人類は、少なくとも日本人は太古から何万年もの年月を主に山の中で暮らしてきました(往時の日本列島は海辺まで山や森林に覆われていました)。「都市生活」の歴史など、千年足らずでしょう。我々の血、特に子供達の血は、「山」に入るとにわかに騒ぎ出すように見えました。
浅い歴史の現代文明の中に埋没して生活しがちの昨今、我々の中に潜んでいる野生の血をときに騒がせてやって、心身ともにリフレッシュさせるには「山」はいいものです。それも、身近の山で十分でしょう。人類は太古から群れて生活してきましたから、「山」も群れて出かけることをお勧めする次第です。
秋めいたすじ雲の空にトンボが飛び交い、処々に野菊が咲く山の一角で、一服しながら子供達の歓声を聞いていると、何か悠久の思いにとらわれる錯覚を覚えたものでした。
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芥子望主山・市民の森 整備推進協議会
会長 田内 正一 氏
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