【弁護士が解説】今からできる!不動産を利用した相続税対策
人は誰しも、ご両親や大切な方の死を避けて通ることはできません。ですから、いずれ訪れてくる相続に備えて、誰もが相続税対策の準備にとりかかるべきです。では、今すぐすべき相続税対策にはどんなものがあるのでしょう。山本法律事務所の山本弁護士に解説していただきました。
▼目次
1. そもそも相続税の課税対象は?
2. 不動産を利用した相続税対策
2-(1) 小規模宅地の特例で節税
2-(2) マンションを利用した節税
2-(3) 広大地の評価を用いて土地の評価を下げる
3. まとめ
1. そもそも相続税の課税対象は?
相続税には基礎控除があり、相続する財産が基礎控除を下回ればそもそも相続税は発生しません。相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。
2. 不動産を利用した相続税対策
不動産を所有している方の場合、前記の相続税の控除額を超えてしまうことがほとんどです。そのため、高額な不動産の財産価値を下げる、もしくは、不動産の保有者を変更する際の税金を抑えられれば、高い節税効果が見込めるといえるでしょう。
2-(1) 小規模宅地の特例で節税
不動産に関する相続税の特例として、「小規模宅地の特例」というものがあります。これは、相続する人が現在住んでいる宅地を、相続によって売却せざるを得なくなる状況を防ぐための特例です。一定の条件を満たす必要がありますが、小規模宅地の特例が認められると、その土地の評価額が80%減額されます。これにより、相続税の控除額未満になることもあります。代表的な具体的方法として、以下の2つが考えられます。
① 二世帯住宅に住む
二世帯住宅にすることで「被相続人とともに住んでいる」ということが認められ、小規模宅地の特例に該当することも考えられます。近年人気の二世帯住宅には、このような相続税対策もあったのですね。
② 高額な宅地に移り住む
もし、別荘などをお持ちの方は、晩年は土地の評価額が高い宅地に移り住むことで、小規模宅地の特例の対象になり、土地の評価額を大幅に下げることができます。
2-(2) マンションを利用した節税
生前にタワーマンションを購入していることが、相続税対策ともいわれています。大きな理由としては、マンションは土地の面積自体が小さいため、購入時の価格と相続時の土地の評価額の差分を大きくすることができるのです。
2-(3) 広大地の評価を用いて土地の評価を下げる
広い土地を相続する際は、広大地の評価という評価方法ができる場合があります。場合によっては、数千万円単位で土地の評価額が下がり、結果的に数百万円の相続税を節税することも可能です。
3. まとめ
いかがでしょうか。今回は、不動産を利用した相続税対策についてお伝えしましたが、相続税対策には様々な方法があります。そこで、次回も引き続き相続税対策についてお伝えしていきたいと思います。
― 取材協力 ―
山本法律事務所
弁護士 山本 賢一 氏
http://www.yamamoto-lo.jp/