保険金と税の関係
~ 受け取り時に損をしないために ~
今「相続」と「終活」が注目されていますが、非課税枠の利用や預金凍結対策など、保険の有効利用は誰にでもできる非常に有効的な手段です。そこで今回は、死亡保険金受け取り時に、損をしないため知っておくべき「生命保険と税の関係」についてのお話を。
その前に、言葉のおさらい。
「契約者」は、保険会社と契約を結び、保険料を支払う人です。
「被保険者」は、保険の保障対象となる人です。
「受取人」は、保険金を受け取る人です。
では、4つのケースに分けて解説します。被保険者は、全て「夫」と仮定します。
①〈契約者が夫で、受取人が妻などの相続人である場合〉
税金の種類は「相続税」です。ただし、500万円×法定相続人の金額分は非課税となります。
②〈契約者が夫で、受取人が相続人以外の場合〉
税金の種類は「相続税」です。ただし、遺贈とみなされ、非課税枠はありません。
③〈契約者が子で、受取人も子の場合〉
税金の種類は「所得税(一時所得)」です。
④〈契約者が妻で、受取人が子の場合〉
税金の種類は「贈与税」です。
ポイントは、税金の種類により税率が変わることです。相続税と贈与税は最大55%、所得税は最大45%です。実は被保険者が同じでも、契約者や受取人が異なれば、支払う税の金額は大きく変わるのです。
場合によっては、③がとても有効です。
相続税では、保険金の「全額」が課税対象で、支払った保険料は控除されません。一方、一時所得の課税対象は、収入(保険金)から経費(支払った保険料)を差し引いた額の「半分」です。
生命保険は残された人の保障が目的です。残された人に損をさせないため、専門の相続カウンセラーや終活カウンセラーに相談してみてはいかがでしょう。必要であれば最適な仕業(税理士・司法書士・弁護士など)へも繋いでくれます。是非一緒に、未来について考えましょう。
- 取材協力 -
FP総研株式会社
ライフプランインストラクター 高山 邦男 氏