庭 が私にしてくれること
庭 とは、いったい何でしょう。何をしてくれるものなのでしょう。難しくありません。春でも夏でも秋でも冬でも、窓を開けて数歩外に出るだけで楽しめる、ミニミニリゾート。それがお庭です。soboの多田さんに、庭の魅力を語っていただきました。
「このお庭は、暮らしを楽しく、豊かにする空間だろうか」
お庭作りに携わり20年。これは私がお庭を設計する際、必ず意識してきたことです。
植物の力は偉大です。
例えば、今時分の冬。落葉樹は次の春に向け、少し芽吹いていたりします。ナンテンはこの寒い季節に赤い実をつけ、少し寂しいお庭にほんのり彩りを与えています。枯れた宿根草も、土の中で来期に向けゆっくり静養しています。
冬は寒いので、そんなに長くは外にいられせん。しかし、5分お庭にいるだけで、すごくリフレッシュできます。まるでリゾートに来ているようで、生きる力が湧いてきます。これがお庭の力、植物の力かな、と思います。
去年、私は自分の家の庭に、「プリンセスダイアナ」というクレマチスを植えました。赤いお花が咲く、とても人気のあるクレマチスです。
このクレマチス、去年はあまり大きくなりませんでしたが、今年はみるみるツルが伸び、私は毎日チェックしていました。
ところが、花がつかないのです。「どうしたもんかなぁ」と思っていたら、秋になってようやく一輪咲きました。もう、嬉しくて嬉しくて、何度も外に出て花を眺めたものでした。
実はこのクレマチス、花を沢山つけるのは、植えて3年程して、その環境に慣れてきた頃からです。つまり、来年はもっと沢山の花を咲かせるのでしょうが、それが楽しみで仕方ありません。そうです。我が家の庭は、私にとってリゾートなんです。
この一年、見慣れた風景で新しい発見をする楽しさを伝えたくて、四季折々の植物について綴ってきました。「あの木、この花」は今回で最終回ですが、春でも夏でも秋でも冬でも、窓を開けて数歩外に出るだけで楽しめるミニミニリゾート「我が家のお庭」を、これからも楽しんでください。
本当に、この一年間ご愛読いただきありがとうございました。
- 取材協力 -
株式会社 空間設計sobo
http://k-sobo.com
代表取締役 ガーデンデザイナー 多田 紳也 氏
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日向穂志が持つコンパスは、北ではなく、幸せが潜む方角を教えてくれる謎のコンパス。彼はどこでそのコンパスを手に入れたのか。そして、なぜ妻・月子となぜ不仲なのか。フリーペーパー「コンパス」の新連載小説「幸せのコンパス」の第一話。
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