遺産分割協議「失敗する人」「失敗しない人」
~ 相続・贈与対策 ~
相続問題はお金持ち特有のトラブルではない。そう断言するのは相続診断士の内堀さん。なぜ普通の家庭でもトラブルになるのか。また、遺産分割協議で失敗する人・失敗しない人の特徴とは。お話を伺ってきました。
▼目次
1.普通の家庭ほど相続争いが起きる理由
2.遺産分割協議で失敗する人
3.遺産分割協議で失敗しない人
1.普通の家庭ほど相続争いが起きる理由
相続争いはお金持ちの争いではありません。普通の家庭にこそ起きる争いです。その最大の理由は「自分たちはごく一般的な家庭だから、相続は関係ない」と思い込んでいるところにあります。
しかし、現実は違います。
例えば、母親が亡くなり、二人の兄弟が相続財産200万円の相続人だとします。兄が喪主を務め、葬儀費用100万円を立て替えました。ですから、兄は弟に、葬儀費用の半分を負担してもらいたいけれど、弟はそれを拒否。にも関わらず、法定相続分の100万円は要求している……。と、このようにして、相続は争いへと発展していきます。遺産200万円が多いか少ないかは別として、その金額で兄弟関係がこじれることは珍しくありません。
2.遺産分割協議で失敗する人
相続財産に不動産を持つ方は、遺産分割協議がこじれやすい傾向にあります。不動産は共同で保有するとトラブルになりやすく、共同所有しないのが基本です。また、相続税は原則、現金でしか払えません。しかし、不動産は相続人のうち一人でも売却に反対すれば現金化できませんから、自分の保有する財産を売却して納税せざるを得ず、争いになります。
預貯金は少ないが不動産がある。そんな方は残された家族同士が争わないようにする為にも、事前に対策を講じておくことをお勧めします。
3.遺産分割協議で失敗しない人
遺産分割協議で失敗しない人の多くは、相続について学ばれています。ですから、相続について勉強されている方が多いお金持ちは、あまり争いを起こしません。
ただ、相続は独学では難しい為、遺産分割協議で失敗しない方の多くはセミナーに出席したり、個別相談に参加している傾向にあります。
私もコンパス笑楽校にてセミナーを担当していますし、個別相談も開催しています。それらは全て無料です。残された家族がもめないように計らうことも、相続対策の重要な役割です。ぜひ一緒に相続について考えましょう。
- 取材協力 -
相続診断士
内堀 和久 氏