水で洗う。
それが、クリーニング店がオススメする、最も汚れが落ちる洗濯方法
最も汚れを落とせるのは、溶かす天才「水」
水は物を溶かす天才です。食塩や砂糖など、水は本当に多くの物を溶かすことができます。そして、水は汚れも同様に溶かすことができ、私たちはこの現象を「汚れを落とす」と表現しています。そんな水の洗浄力について、ラッコのマークでおなじみのクリーニングの巴屋さんに解説していただきました。
▼目次
1.油汚れも、水の力を借りて落としている
2.洗濯に最適な水
3.ウェットクリーニングの魅力
1.油汚れも、水の力を借りて落としている
水は汚れを落とす天才ですが、油汚れは落とせません。油は水に溶けないからです。だから、私たちは洗剤を使用するわけですが、なぜ洗剤と水で油汚れが落ちるのかと言えば、洗剤の主成分「界面活性剤」には、水に溶けない油汚れを水に溶けるようにする性質があるからです。結局のところ、油汚れも洗剤の力を使って水に溶かしているわけです。
2.洗濯に最適な水
ところで、水には硬水と軟水がありますが、硬水は洗濯に不向きです。ミネラル分は洗剤などと結合し、石鹸かすに変化するからです。この石鹸かすは洗浄力を低下させるばかりか、洗濯機や衣類に新たな汚れとして付着します。くれぐれも硬水のミネラルウォーターで洗濯するのは控えましょう。
3.ウェットクリーニングの魅力
本来なら、全ての衣類は水で洗うべきです。しかし、中にはウールやシルクのように、水と洗濯機の影響を受け、縮みや風合いの変化、形崩れを起こしやすいものもあります。そうした衣類は「ドライクリーニング」がお勧めです。ただ、溶剤(油)で油汚れを落とすため、油汚れには最適でも、水を使わないので水溶性の汚れには弱く、例えば黄ばみの原因となる「汗」などの汚れは落とせません。そこで「ウェットクリーニング」です。衣類へのダメージを極力抑え、可能な限り水溶性の汚れを除去する高度な洗濯技術です。この方法なら、シルクなどドライクリーニングでしか洗えなかった衣類も、水を使うので汗汚れにも効果的です。
下図のマークが、その「ウェットクリーニング」のマークです。昨年12月に、洗濯表示が一新された際、新たに追加されました。
非常に高度な技術が要求されるため、厳格な認定制度もあります。この夏はぜひ、洗浄の天才「水」を使ったウェットクリーニングで、キレイなお洒落を楽しみましょう。
- 取材協力 -
クリーニングの巴屋
http://www.tomoeya-cleaning.com
松本工場副工場長
平澤 哲哉