介護のささえ
2025年には団塊の世代が75歳以上となり、高齢化率は30%を超え、3.3人に一人は65歳以上の高齢者となります。そして、その後も高齢化率は増加をたどり、2060年には国民の2.5人に一人が高齢者となる見通しです。そのため、老老介護への関心は日に日に高まりつつあります。
老老介護とは、65歳以上の要介護者を、65歳以上が介護することです。厚生労働省の発表では、現在でもすでに在宅介護世帯の54%が老老介護という実情です。老老介護の弊害には、「共倒れ」「虐待」「老老介護殺人・心中」「経済的不安」などが考えられますが、中でも経済的不安は大きな問題です。
仮に65歳まで勤め上げ、さあセカンドライフ!と思った矢先に両親が要介護になったとします。両親も年金は受給していますがそれだけでは賄いきれず、ご自身の退職金や預貯金を切り崩すケースは珍しくありません。しかし、そうやって両親の介護を乗り切っても、介護はまだ終わりません。その頃には、今度は自分たちが介護が必要な年齢に達しているからです。
では、自分が要介護となった時に必要となるお金はどれぐらいでしょう。
あるデータによると、生涯必要な在宅介護(施設に入所せず、家庭で介護する場合)に係る負担額は一人あたり平均500万円と言われています。ご夫婦では1,000万円です。これは大きな金額です。しかし、費用が足りなければ必要な介護サービスが受けられません。そして、サービスが不足することが原因で、「共倒れ」「虐待」「老老介護殺人・心中」が発生している側面もあります。つまり、経済的不安は様々な負の連鎖を引き起こす引き金になりうるのです。
とは言っても悲観的になったり絶望したりなさらないでください。まずは頼れるところを考えましょう。お子様やご兄弟、ご親戚でも良いでしょう。またはケアマネージャーも相談に乗ってくれると思います。無理のない適切な介護サービスを検討すること。それが一番の対策です。
とにかく一人で悩まない。
老老介護は社会問題です。地域や行政も活用すべき時代です。皆さんが笑顔で暮らせることを心より願っています。
- 取材協力 -
株式会社 想礼優(ソレイユ)
代表取締役
小林 匡善 氏
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