認知症に「かかり易い人」と「かかり難い人」の違いとは
介護のささえ
「2025年問題」という言葉を聞いたことはありますか。
6年後には団塊の世代が75歳を迎え、高齢化率は30%を超えます。そんな人類史上初となる超高齢化社会。それにより生じる、介護施設の不足や人材不足など、様々な課題が「2025年問題」です。中でも認知症の問題は深刻です。現在でも国内の認知症患者は約500万人いるそうです。高齢者7人に1人の割合です。それが700万人を突破し、5人に1人が認知症を発症するのではないか、と言われているのです。
では、どんな人が認知症を発症しやすいのでしょう。
20年以上、介護の現場にいる私の経験から言いますと、(脳の委縮によるアルツハイマーや脳血管障害などは別として)加齢に伴う認知症を発症した方には「現役を引退され、家庭内でも特に役割がない」「定年退職されて急に体を動かさなくなったり、色々な事を考えなくなった」あるいは「人付き合いが疎遠になり外出しなくなった」という傾向があるように思います。
逆に、認知症になりにくい方には「定年退職後も趣味や特技を活かし、何かしらの活動をしている」「毎日めりはりのある生活をしている」などの共通点があり、いつまでも若々しく元気でお暮らしです。
とある研究機関によれば「食生活と生活習慣の工夫で認知症になりにくくなる」として、次のような報告を発表しています。
ビタミンC、E、βカロチン、DHA、EPA、ポリフェノールをよく摂取する。週3日以上の有酸素運動をする。人付き合いをする。文章を書く、読む。麻雀や将棋など、頭を使うゲームをする。博物館、美術館、コンサートなどに出かけて芸術や芸能に触れる。起床後2時間以内に日光を浴びる。等々です。
もちろん、これらは可能性の話です。しかし、皆様のご両親やご親戚などに、人付き合いも疎遠になり、外出もせず、家に引きこもっている方がいたら、できるだけ外出にお誘いください。特にこれからの季節は、ショッピングモールなどでウィンドウショッピングをしたり、お孫さんの顔を見せに行ったり、何か趣味や特技などを楽しんだりするのは最適です。
超高齢化社会が到来しても、認知症に罹りませんように。皆様がいつまでもお元気で過ごされることを心よりお祈りしています。
取材協力 -
株式会社 想礼優(ソレイユ)
代表取締役
小林 匡善 氏
ホームページ:https://www5.hp-ez.com/hp/soleil-co/