冬に気をつけたい 脳卒中
~ 介護のささえ ~
冬に気をつけたい 病気に、脳卒中があります。冬は気温が下がって血管が収縮し、血圧が上がります。そのため、冬は脳卒中患者が増える傾向にあります。脳卒中は大きく分けて、脳の血管が詰まる「脳梗塞」と脳の血管が切れる「脳出血」があります。今回はその中でも、脳梗塞を予測する症状として注目されている一過性脳虚血についてお話を。
◇ 前ぶれを知って予防しよう
一過性脳虚血(TIA)は、一過性という通り、一時的に脳の血流量が足りなくなることで発生し、短時間(一時間以内)で症状が消える発作です。具体的には、一時的に「片側の」目が見えなくなったり、「片側の」顔面や手足の感覚・機能がなくなったり、麻痺したりします。また、その他にも皮膚感覚の麻痺、言語障害、意識障害、失語、めまい、吐き気・嘔吐、嚥下障害などが生じます。ちなみに、初めてTIAが出てから1か月以内が最も脳梗塞が起こりやすいといわれていて、特に最近の研究では、TIA発症後48時間以内に脳梗塞を発症する例が多いとされています。そのため初めてTIAが出たというときは、入院して精密検査を実施し速やかに治療を行うことが必要とされています。また、TIAが疑われた場合、脳梗塞の進展を予測する方法に「ABCD2スコア」という確認方法があります。各項目の点数を合計し、そのスコアが高いほど、早期に脳梗塞を起こす危険性が高いとされています。このスコアを指標に受診するかどうかを決める必要はありませんが、3点以上であれば念のため医師に相談してみることをお勧めします。
~ ABCD2スコア ~
A (age:年齢)
60歳以上 ➝ 1点
B (blood pressure:血圧)
収縮期(最高) 血圧≧140mmHg ➝ 1点
拡張期(最低) 90mmHg≧血圧 ➝ 1点
C (crinical features:臨床的特徴)
片側脱力 ➝ 2点
脱力を伴わない言語障害 ➝ 1点
D (duration of symptoms:症状の長さ)
60分以上 ➝ 2点
10分以上60分未満 ➝ 1点
D (diabetes:糖尿病)
糖尿病あり ➝ 1点
- 取材協力 -
株式会社 想礼優(ソレイユ)
代表取締役 小林 匡善 氏
ホームページ:https://www5.hp-ez.com/hp/soleil-co/
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