県内では「電話でお金詐欺(特殊詐欺)」や「SNS型投資・ロマンス詐欺」の被害が増加しており、高齢者のみならず、幅広い年代に被害が広がっています。令和6年中の被害総額は約27億350万円にのぼり、極めて深刻な状況にあります。
こうした中、特殊詐欺の未然防止に向けて、企業も様々な役割を担い始めています。
今回は、実際に対策に乗り出した企業が、どのような取り組みを進めているのか、その現場を取材しました。

早坂裕太
スマホを詐欺の入り口にさせない。
特殊詐欺というと金銭被害を思い浮かべがちだが、実はそれだけではない。ドコモショップ梓川店の早坂店長は、こう警鐘を鳴らす。
「知らない間に遠隔操作を可能にするアプリが入り、スマホのカメラが勝手に起動。盗撮されることもあるんです」
他にも、電話帳やプライベート写真の流出、銀行や企業を装い偽サイトへ誘導、暗証番号やパスワードを狙う手口も確認されている。 被害のカタチは一つではなく、ときに友人や家族まで巻き込んでしまうのが今の詐欺の特徴、とのことだ。
スマホ詐欺の疑惑
1日5件の現実
早坂さんによれば、被害のきっかけは「クリーナー系」を装った不正アプリであることが多いらしい。画面に「動作が遅い」「ゴミが溜まっている」と表示され、不安になってタップした瞬間、見覚えのないアプリが次々とインストールされてしまうそうだ。
「何もしてないのに広告が出るようになったら、それは被害の一歩手前。放置せず早めに相談してください」
と、早坂さんは注意を促す。
梓川店には「警告が出た」「動作がおかしい」と不安を抱えた人が、平均して1日5名以上訪れるという。詐欺は決して他人事ではない。
ドコモ以外もOK
怪しいと思ったらご来店ください
早坂さんによれば、被害を防ぐ基本は大きく三つある。
一つ目は、不審なSMSやメールのURLを開かないこと。
二つ目は、OSやアプリを常に最新に保つこと。早坂さんは言う。
「日本人は物を大切に長く使いますが、スマホだけは注意が必要です」
と言うのも、古い機種はOSの更新が止まり、セキュリティが弱くなる。結果として不正アプリに狙われやすく、広告や見覚えのないアプリのインストールなどの被害に直結するからだ。
そして三つ目。
「今すぐインストールされているアプリ一覧をチェックしてください」
不安ならそのまま来店すればいい。ドコモ以外の携帯電話でも無料で確認してくれるそうだ。
「私たちはドコモのスタッフである前に、携帯業界の人間です。犯罪に悪用されるのは許せません」
通信事業者は真剣だ。私たちも同じくらい真剣に、知識を身につけて身を守るべきだ。

ドコモショップ梓川店
松本市梓川倭2-1
電話:tel:0263-78-8000



















