暮らしの拠点 「家」と健康 の関係
~ 住まいについて考える ~
少子高齢化が進む今、日本は医療費削減に迫られています。しかし、それ以前に私たちは、いつまでも健康で明るく暮らしていたいと本能的に思うものです。そこで今回は、暮らしの拠点「家」と健康について、地元の工務店・株式会社 優プランの松中さんにお話を伺ってきました。
◇ 1. ZEH(ゼッチ)の標準化
日本は地球温暖化対策として、 排出を削減すべく、自宅で消費するエネルギー量より自宅で創るエネルギー量の方が多いZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略)の導入について、2020年までに標準的な住宅での実現を推進しています。この実現にはエネルギーの創り方も重要ですが、高断熱(いかに熱を逃がさないか)も必要です。しかし、高断熱は環境問題だけの話ではありません。実は健康とも密接に関係するのです。
◇ 2. 高断熱と病気の関係
下図は近畿大学の岩前教授が、新築の高断熱高気密住宅に引っ越した人の内、3万人以上を対象に行った調査結果です。気管支ぜんそくなどの諸症状について、引っ越し後の変化を訊ねています。Q値は熱損失係数です。値が小さいほど高断熱を意味しますが、グレード3はQ値(H4年 省エネ基準レベル)、グレード4はQ値(H11年 省エネ基準レベル)です。グレード3が4になっても大きな変化は見られませんが、グレード5(Q値1.9)になると多くの症状に明らかな改善点が見られます。
◇ 3. 断熱を知る
しかし、昔と今で断熱材が大きく変わったわけではありません。今でも昔からある断熱材「グラスウール」はよく用いられています。ただ、施工法はとても進化しました。今ではグラスウールがずり落ちるような施工はしませんし、防湿対策として別途防湿シートを室内側に施工します(防湿カバーと呼ばれるビニールで包まれたグラスウールはそのまま施工します)。高断熱の家は地球の課題を解決します。と同時に、人間の健康の課題もクリアします。リフォームか新築かは信頼できる工務店に訊くとして、まずは是非、「暖かい家」について考えてみてはいかがでしょうか。
- 取材協力 -
株式会社 優プラン
http://www.you-plan.biz
代表取締役
松中 広一 氏
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次話 空気汚染から始まるアレルギー対策
① 二世帯住宅のイイところ
② より良い住まいを求めて
③ 家と時間について考える
④ 二世帯住宅を考える
⑤ 「夏を旨とする家づくり」から「冬を旨とする家づくり」へ
⑥ 家の外より中が怖い現代
⑦ 補助金の種類は、非常に多い!
⑧ 熟年離婚を防ぐ家
⑨ 暖の取り方の変遷
⑩ 家づくりから始める健康
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⑫ 二世帯住宅への住み替えを試算してみよう
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