「ヒートショック」 から身を守る方法

  1. 住まい

入浴中の事故死は年間19,000人?!
原因の一つ 「ヒートショック」 から身を守る方法

~ 住まいについて考える ~
 
皆さんは、交通事故死より家庭内で起こる不慮の事故死の方が多いことをご存知ですか。また、ヒートショックとは一体どんなもので、寒い家がどれほど危険か知っていますか。松本市の工務店「優プラン」さんに聞いてきました。
 
「ヒートショック」

◇ 今さら聞けない?ヒートショックって何

ヒートショックとは、家の中の急激な温度変化により血圧が大きく変動し、失神や心筋梗塞、脳梗塞を引き起こすなど、身体へ悪影響を及ぼす健康被害のことです。暖かい居間からトイレに行った際、その室温差に思わず震えてしまったことはあると思います。その気温差がヒートショックの原因です。一般的には居間と浴室の温度差が最も大きいので、様々な機関が冬の入浴に対する注意喚起を行っています。

 

◇ 風呂が寒いと溺死を招く

入浴中にヒートショックを発症し、そこで心筋梗塞や脳梗塞が引き起こされると、浴槽で意識障害に陥り溺死してしまう可能性が非常に高くなります。実際、平成28年には、およそ5,000人が家庭内の浴槽で溺死しています。また、その約9割が65歳以上です。さらに、厚生労働省によれば、入浴中の事故死は一年で約19,000人にも上ります。したがってお風呂で溺死しないためには、いかに浴室や脱衣所の気温をリビングの気温に近づけるかが重要です。

 

◇ リフォームだけでは不十分なことも

入浴によるヒートショックを防ぐには、脱衣所をヒーターで温めたり、シャワーで湯船にお湯を溜めたり、あるいは浴室の断熱リフォームを行うなどが効果的でしょう。ただ、ヒートショックは夜中にトイレに目が覚めて、暖かい布団から出てトイレに向かう途中にも起こり得ます。ですから、自宅を安全な場所にするためには、家の一部をリフォームするだけでは不十分なケースがあることは知っておくべきことでしょう。
寒さに慣れていても、ヒートショックは起こります。築100年以上のお屋敷に住んでいたお爺さんは、ある時ヒートショックで倒れてしまいました。それをきっかけにお屋敷を取り壊して暖かい家に建て直したのですが、その後お爺さんは天寿を全うしたそうです。

もしお風呂やトイレが寒いと感じたことがあるなら、ぜひ冬が本格化する前に工務店に相談してみてください。最近の家がどれほど暖かく、なぜ暖かいかを教えてくれると思いますよ。

 
- 取材協力 -
株式会社 優プラン
http://www.you-plan.biz
代表取締役
松中 広一 氏

 
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前話 湿気は住まいと健康の害敵
 
① 二世帯住宅のイイところ
② より良い住まいを求めて
③ 家と時間について考える
④ 二世帯住宅を考える
⑤ 「夏を旨とする家づくり」から「冬を旨とする家づくり」へ
⑥ 家の外より中が怖い現代
⑦ 補助金の種類は、非常に多い!
⑧ 熟年離婚を防ぐ家
⑨ 暖の取り方の変遷
⑩ 家づくりから始める健康
⑪ 既存不適格住宅から脱出!補助金で明るい生活
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⑬ 窓から始める暖かな家づくり
⑭ 暮らしの拠点「家」と健康-の関係
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