相続とは 承継 であり、先祖からの精神のバトンリレーである

  1. 相続

相続とは 承継 であり、先祖からの精神のバトンリレーである

 
承継 遺言書

◇「相続とは、権利義務の継承である」

この言葉には深い意味が一つあります。皆さんはおわかりでしょうか。答えは「継承」という言葉です。相続とは「継ぐことを承る」ものではありません。「相続放棄」という言葉から、「財産を継ぐことを承る・承らない」と思われがちですが、そうではありません。正しくは「承継」です。相続とはすなわち「承継」するものであり、先祖の精神や供養を「まず」承って「それから」継ぐものなのです。しかしどうでしょう。悲しいかな、相続におけるほとんどの日本人は、財産というカタチを「継承」するだけです。だから、相続での争い(いわゆる争続)が起こります。そして承継しなかったばかりに、今日もどこかで争続が起きています。そうです。継承は争続の原因なのです。そもそも、仏壇や仏具、お墓などの祭祀財産が、なぜ相続に対して非課税なのでしょう。それは日本の相続における大前提が、先祖代々の精神を受け継ぐことにあり、それをまず承る点にあるからだと(法的見解は別にあるとして)私は思います。
 
相続で一番大切なのは「心の相続」です。先祖への感謝や精神が受け継がれていなければ、相続には何の意味もありません。あなたが今ここにいるのは父母のおかげです。父母がいたのは祖父母のおかげです。相続とは、命と精神のバトンリレーです。そして、相続というバトンリレーを永遠に正しく続けるためには、承継が必要不可欠なのです。
 
承継

四年後には東京五輪が再び開催されます。1964年の聖火リレーでは、「火」というカタチだけを継承したものではなく、オリンピックの精神を承継したものでした。2020年の東京五輪も、是非そうあってほしいと思います。と同時に、日本における相続も、「財産」というカタチだけを継承するのではなく、先祖への感謝や精神をまず承継するものであってほしい。そう私は、心の底より願う次第です。

 
- 取材協力 -
蔵エンタープライズ
代表 板倉 富男 氏

 
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